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BMW 420i F36のAFTフラッシングとオイルパン交換

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420iをディーラーに車検の見積もり(事前点検)に出したら、ATのオイルパンからオイルが滲んでおり、車検を通すためには修理が必要と。
自分でATFのフラッシングとATのオイルパン交換をすることにしましたので内容を紹介します。

では、毎度長い前置きからw

今回は7年目の車検で指摘されました。いや、2年目の車両点検から滲んでいると指摘されていて、それからずっと様子を見ましょうと言われていたので知ってはいたんですけどね。

2年目でオイルが滲んでいて、勝手に滲みが止まることはないので、いずれ修理が必要なことは分かっていましたが、なぜ7年目の車検までディーラーがずっと様子見でと言っていたのかについては、ちょっと不思議な気もしますw

そしてディーラーで修理のための見積もりしてくれた内容がこちら。

合計が22.7万円です。
内訳を見ると、ATF(ATオイル)が9Lで14.6万円です。正気ですか( ゚Д゚)

ちょっと意味が分からないくらいの見積もり結果なので、自分で修理することにしました。
修理と言っても、部品交換するだけなので必要な部品と適切な工具があれば何も難しいことはありません。

ATのオイルパン交換と一緒に、他にも指摘されていたウォーターポンプからのLLC漏れも一緒に直していきます、その記事はこちらを参照ください。

BMW 420i F36のウォーターポンプ交換

あとはエアコンが臭いのも一緒に対策しました。その記事はこちら。

BMW 420i F36のエバポレーター洗浄

つまり3つの整備を土日で同時並行で実施していたわけです。
いずれの作業も、車を馬でジャッキアップして作業するとやりやすいですので効率的です。

では、作業していきます。

本記事の目次
① 修理に必要な部品と道具選定
② 交換作業
③ ATFのフラッシング手順
④ 作業性と難易度、DIYでの費用など

① 修理に必要な部品と道具選定

まずは必要な部品から手配していきます。
まずはオイルが滲んでいるオイルパンの手配から。
オイル滲みは、オイルパンのATF(ATオイル)をシールしているゴムパッキンのシールの密着性に問題があると思われます。
BMWのオイルパンは、液体ガスケットで密封しているわけではなくて、ゴムパッキンでの密封となっています。
そして、ATFフィルターとオイルパンがASSYになっているので、オイルパン交換するとATFフィルターも新品になるということです。
それなら、ATFのフラッシングも一緒にすることにします。

どうせATFのフラッシングをするときにオイルパン交換が必要になるということですから。

そして、ATFはBMWは交換不要としているようですが、構造上必ず汚れてオイルの性能が劣化しています。汚れというか、かなりの鉄粉がオイルに混じります。
この鉄粉が増えてくると、ATの細かい経路に固着してくるようです。

血管に脂肪が固着して血流の流れが悪くなって高血圧になるのと一緒ですね。

では、なぜATFの交換を交換不要としているのか?
おそらくATFを交換することによって固着した鉄粉の塊が剥がれて、細いオイル経路が詰まって不具合を起こすリスクがあるからではないかと思います。

そんなこと気にするなら、固着する前にATFを例えば2万キロ毎とかで定期的に交換する方が、よほど車にとって健全のような気がするんですけどねー。

さて、話を戻しまして、手配するオイルパンはZFの互換品とします。
420i F36のATはZF製です。ドイツのミッションメーカーの大手です。
日本メーカーですと、ジャトコとかアイシンが有名です。

BMW純正のオイルパンはZF製なので、ZF製のOEMを購入しても性能は同じだと思うんですよね。

ということで手配したのはこちらです。

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ディーラーの見積もりの半額以下でした。

次に、問題のATFですが純正は0.1Lで税別1680円とか意味の分からない価格設定です。

そこで420iに採用されているATのZF8HP45と互換性のあるLIQUIMOLYの1800をチョイスしました。
BMWのアルピナなどにも採用されているATFです。

0.1L当たりの値段は税別200円ですね。これでも国産と比較すると割高です。

国産だとENEOSのやつが同等性能でコスパ抜群ですが、BMWの認定品ではないので、そこは自己責任で。

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次も自分で420iのATF交換するとしたら、私はENEOS使います。

あとはATF添加剤も準備しました。

効果は次のように書かれています。

オートマチック車のプラステック・ゴム製のシールを保護し、摩耗を防ぎます。シフトの操作性が改善され、耐用年数を延ばします。

またオイルが滲んだら困りますからね。入れときましょう。

次に見積もりに記載されていたOリングですが、これはATの助手席側側面にあるオイルクーラーからATに繋がるパイプのOリングでした。
ここも若干漏れているということだったので、ディーラーに純正を注文しました。
ネットで探したけど、見つからなかったんですよねー。
Oリングは2個必要ですので、1628円×2です。
サイズは13.4×1.74mmのようですが、凄い値段ですねw

手配した交換部品などは以上です。

次に主要工具などを紹介していきます。

・T40トルクスビット
これは、オイルパンを外すのに必要です。

・10mm六角レンチ
ATオイルパンの樹脂ドレンの脱着に使用します。

・8mm六角レンチ
ATのフィラーボルト(給油口)の脱着に使用します。

・E6、E8リバーストルクスソケット
オイルクーラーパイプラインを外すのに使用します。

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私が使ったのはこちらのリバーストルクス(ヘックス)ソケットセット。
トルクスは安物を買うと精度が悪くておススメできないですが、SK11のソケットは値段の割にちゃんとしてます。
欧州メーカーの車は、トルクスと六角ボルトがごちゃ混ぜなのがイラっとします。
全部整備性の良い六角の頭でいいじゃんと強く思います。

・10mm、12mmレンチもしくはソケット
アンダーカバーなどのM6、M8のボルトを外すのに使用します。

・10Nが測れるトルクレンチ
ATオイルパンの締め付けボルトの指定トルクは10Nです。
締め付けトルクがバラバラだと、またオイルパンから滲んでくるかもしれないので、トルク管理はしっかり行います。

・電動オイルポンプ
ATFの給油に使用します。サクションパイプでもいいんですが、高確率でオイルが滴り落ちて、手や腕がオイルまみれになりますので、電動ポンプを買いました。

ちなみに、こちらの商品はエンジンオイルをオイルレベルゲージから抜き取れるようですので、今度私のインプレッサで試してみたいと思います。
420iはオイルレベルゲージが付いていないので、無理ですね。残念!

電動オイルチェンジャー

中身はこのような構成です。ちゃんと日本語の商品でしたw
ホースの長さは、吸い込み側も排出側も1mくらいあります。

・オイル用ピッチャー
抜いたATFの量は把握したいので、5L用のピッチャーを購入しました。
エンジンオイル抜くときや、給油するときにも量が正確に把握できるし、オイルを注ぐのも最後ビーカーをきれいにするのも楽な形状なので、なかなか便利な予感がします。

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同時並行で実施していた、エバポ洗浄やウォーターポンプ交換時のLLC抜き&補充にも大活躍しましたので、買ってよかったです。

・廃油受け
ATオイルパンを外すと、ATFが広範囲にポタポタ垂れてきます。
私はモルタルを練るためのトロ舟というのを使いました。リンクのようなやつです。

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ホームセンターでセールしていて、900円くらいで買ったような気がします。

主要な必要品は以上になります。
その他、ウエスとか色々ありますが、長くなりすぎるのでもう割愛しますw

② 交換作業

では、作業に移ります。

オイルパンを外す前に1回フラッシングを行います。
多分1回目のフラッシングってATFがかなり汚れてると思うんですよね。
オイルパンにはフィルターが付いているから、フラッシングを1回やってから交換したほうが、フィルターが長持ちするんじゃないかと期待しました。

実際そうやってフラッシングをしている人の記事をいくつか拝見しておりますので、ここは先人に倣います。

最初に8mmの六角レンチでフィラーボルトを外します。
ATFが垂れてくるので受け皿などを用意してください。

フィラーボルトを外したところ

写真の一番手前側が何となくオイル漏れして汚れているのが分かるでしょうか。
オイルパンの繋ぎ目から少しずつATFが滲んでいるんですよね。本当に少しずつなんですけど。

ドレンボルトを抜いたところ

次に10mmの六角レンチで樹脂製のドレンボルトを外します。
樹脂なので、舐めないように注意してください。

高確率で手にATFがべっとり付きます。ウエスを手元に用意しておかないと、悲惨なことになります。

抜け落ちるATFの色は薄茶に見えますね。そんなに汚れていないのかな?

最初に抜いたATF

最初に抜いたATFです。
抜けた量は約3.1Lでした。ピッチャーに溜まった色を見ると、緑かかった黒に見えます。

最初に抜いたATFの色

横から見ると、こんな感じです。

ピッチャーからATFを捨てた後、ピッチャーの底を見ると黒い粒々が見えます。

ATFが黒くなっている正体は、鉄粉ということが分かります。
鉄粉が一番出てくるのは、新車時だと思います。
なので、ATF交換が最も必要なのは新車から2万キロくらいのときのような気がします。

新しいATFを給油

ピッチャーに3.2L新油を入れて給油してみます。
新油はこんな色です。ピッチャーに入っていると、濃い茶色に見えますね。

ATFはピンク色の物が多いんですけど、BMWの純正と今回用意したリキモリのATFは茶色ということが今回分かりました。純正はリキモリのOEMだったりしてw

この電動オイルチェンジャー、パワーがないので時間がかかります。
吸い込み側のホースが細いのが良くないんだと思います。
約3L給油するのに約5分くらいかかっていました。結構イラっとしますw

なぜ吸い込み側のホースが細いかというと、オイルレベルゲージからエンジンオイルを吸い出せるようにするためです。

今回の場合、吸い込み側のホースを太いものに変更して使えば良かったですね。

ここのフィラーボルト外した穴から給油します。
ATFを2.5Lくらい入れると溢れてくるので、給油を止めてエンジンをかけてATFを循環させます。

ATFを循環させる手順は、まず車がジャッキアップされていることが前提で説明します。

1.サイドブレーキを解除します。

2.シフトをリバースに入れて10秒待ちます。

3.シフトをDにして、マニュアルモードの1速にして10秒待ちます。

4.2速にシフトアップして10秒待ちます。

5.シフトをパーキングに入れてアクセルを踏み、エンジン回転数を約2000rpmまで上げた状態で30秒待ちます。

6.アクセルを離し、サイドブレーキを引いてIG-OFFしたら終了です。

ATFを循環させるとさらに0.5Lほど給油できるようになりますが、しません。

再びドレンボルトを抜いて、オイルパンを取り外します。
オイルパンは、T40のトルクスボルトを13本外すと外れますが、取れない場合は固着しているので、コンコンと横から叩くと外れますが、オイルパンを落とすとオイルが跳ねてやる気ゲージがダダ下がりになるので注意してください。

オイルパンを外したところ

オイルパンを外すとこんな感じです。
思ったよりもスラッジは付いていませんでしたが、赤丸のモーターのところに薄っすらとスラッジが付着しておりました。

ここは、毛が付かない不織布タイプのウエスとパーツクリーナーできれいにしておきました。

また、この状態で左側にあるオイルクーラーラインも外してOリングを交換しておきましたが、写真を撮り忘れてしまいました。。。

オイルクーラーラインのOリングは、オイルパンを外さなくても交換は出来ますが、ATFは抜いた状態で交換するのがいいと思います。


さて、外したオイルパンを新品と比較してみます。

外したオイルパンはヌメヌメとした凹凸がありますが、この凹凸はスラッジ(細かい鉄粉など)の堆積です。
ギヤの摩耗などによってスラッジが堆積するんですが、結構多いですね。

そして鉄粉を吸着するためにマグネットが装着されていました。
外した左のオイルパンは4個で、4個目は私が外した状態となっております。

新品の右のオイルパンにはマグネット位置が上にまとめて3カ所取り付けられていて、外したオイルパンの1と4の位置には取付け出来ないようになっています。

それにしても、どうして4個ではなくて3個なのだろう???

マグネット3個なのが気持ち悪いので、1個外したオイルパンから移植して4個仕様にしておきましたw

磁力が反発しないように取付け向きに注意です。

オイルパンを取付ける前に、外周のゴムパッキンが密着するようにうすーくラバーグリスを塗っておきました。
通常はATFを塗っておけばOKです。
もともと、このゴムパッキンのところからATFが滲んでいたようなので、念のための処置です。真似しなくてもいいと思います。

オイルパンは付属の新品ボルトで固定していきます。
ボルトを再利用する場合は、ボルトをパーツクリーナーでしっかり脱脂してから使用します。(重要)
ゴムパッキンが接触するアルミ面はパーツクリーナーできれいに掃除しておきます。
決してゴミや糸くずなどが付いていないようにして下さい。指でなぞって、凹凸がなく滑らかな状態であることを確認したらオイルパンを取付けます。

ボルトの締め付けトルクは10Nです。
そしてボルトの本締め順序も決まっており、真ん中から外側に向かって締め付けていきます。

あとは、ひたすらATFのフラッシングを繰り返すのみです。私は6回ATFのフラッシングを実施しました。20Lで購入したATFが余っても邪魔ですしw

ATFフラッシング2回目

こちらが2回目のATFフラッシングの色
ほとんど色に変化がありません。

ATFフラッシング3回目

3回目。
やや色が薄くなったかな?

ATFフラッシング4回目

4回目。
色に変化なし。

ATFフラッシング5回目

5回目。
日が傾いてきたので照明が付きました。
色の変化は良く分かりません。

ATFフラッシング6回目

6回目。
外の明るさが違うので、正確な比較が出来ず。
多分色は薄くなっているのでしょう。

頑張ってATF交換しても思ったほど入れ替わらないんだなというのが感想です。


最後にATF添加剤も入れて、ATFを循環させATF温度が40~50度のときにATFを給油口から溢れるまで補充してボルトを締めて完了です。

ATF温度の確認は、非接触温度計でATのアルミブロックの温度を測って確認しました。

かかった費用は、必要な道具類を購入したのも併せて7.6万円ほどでした。
ディーラーにオイルパン交換をお願いすると、フラッシングなしで22.7万円ですので、フラッシングと添加剤追加しても約15万円節約できたことになります。

交換後のフィーリングですが、交換直後は2速から3速への変速タイミングが少し遅くなったなと感じましたが、100kmほど走行するとAT学習が進んで違和感がなくなりました。

元々変速ショックは無かったので、残念ながら体感できる効果はありませんでしたw
気持ち以前より変速がスムーズかもという気がする程度です。

以上、皆様の参考になれば幸いです。

それではまた!

ABOUT ME
haru
身の回りの何かを常にアップデートしていないとソワソワしちゃう変態なオッサンです。 家とか車とか自転車とか畑とか…。 ネタは尽きないので、時間があるときに更新していきます。

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