新築戸建てを建てる② パッシブハウスに大事な温度と湿度のコントロールの話
夏の不快な要因は、温度以外に湿度が高いことにあります。蒸し暑のは辛いです。
冬の寒さは湿度が低いとなお辛く感じます。
家に使う断熱材や壁材で、湿度コントロールが可能なものがあるのに、着目している人が少ないように感じます。
なんてもったいない!!
湿度を適切にコントロールしてこそ、快適な家になるのです(断言)
では、順を追って説明していきます。
温度コントロールについて
まず、高断熱の家であることが前提ですが、日射の取り入れ方が重要になります。
暑い夏は、日差しが家の中に入らないこと。
寒い冬は日差しが家の中にしっかり入ること。
9月下旬のリビングダイニングには日が入りません。
12月になると朝は写真の左端まで日が入ります。テーブルに座っていると、太陽が眩しいですw
そして、最低気温0℃の真冬でも無暖房でもお昼ごろには室温は24℃くらいになります。太陽ってすごい。
相反するように思うかもしれませんが、夏と冬では太陽の位置が異なります。
夏は太陽の軌道が高く、冬は太陽の軌道が低いで、その軌道の違いを利用して冬だけ日差しがしっかり家の中まで入るように窓と庇を設計してもらいます。
ただ、春や秋は日差しのコントロールは難しいです。
どうゆうことかというと、一番太陽の軌道が高いのは6月の夏至で、軌道が低いのは12月の冬至です。
ですが、一番暑いのは8月で一番寒いのは2月です。約2か月ズレてますね。
また、9月は家の中に日差しは入ってきてほしくないですが、3月は家の中に日差しは入ってきてほしい気温です。でもどちらも太陽の軌道は同じくらいです。
なので、我が家の場合は庇の先に脱着できるタープを設けました。
5月GW後にタープを付け、10月頃にタープを外します。
上の写真にもタープには、カラビナなどのフックが6カ所付いており、脚立に上って脱着します。
夏場も、台風が来ると外したりします。慣れれば、5分くらいで脱着可能です。
安価でシンプルな日差しのコントロール方法で気に入ってます。
湿度コントロールについて
これは家の素材に調湿材を使うことで実現できます。
我が家は、断熱材にセルロース、壁材に漆喰もしくは和紙壁紙、フローリングに無垢板を使用しています。
最も重要なのは、セルロース断熱材になります。
セルロース断熱材とは、新聞紙などの紙を細かく裁断し、ホウ酸を添加したものです。
日本で最も普及しているグラスウールと同等の断熱性能があり、シロアリやゴキブリなどの害虫も予防し、防音性能も高いという特徴があります。
そして、木質繊維なので高い調湿性能を兼ね備えています。新聞紙は水をよく吸いますもんね。
これを断熱材に使用するとどうなるか?
屋内の湿度が低く、屋外の湿度が高ければ、セルロースは屋外から水分を吸着し、屋内に水分を放出します。
どのような原理かといいますと、セルロールは一定の水分を取り込もうとしますが、空気中の湿度が低ければ取り込んだ水分を奪われ、湿度が高ければ水分を取り込むという性質を利用しているんです。
冬場にエアコンで部屋を暖めると、室温が上がるにつれて湿度が下がります。調湿材も加湿器もない場合は、屋内の湿度が20%台になることもあります。
屋外は気温が低いですが湿度は60%~80%くらいあることは割とあります。
そんな時は、湿度の高い屋外から水分を吸収し、乾いた空気の屋内に水分が放出されるんです。
なので、セルロース断熱材を使用すると、冬場でも屋内の湿度が下がりすぎることはないのです。
もちろん、湿度が上がりすぎることもなく、寒い冬場でも窓が結露することは滅多にありません。(例外ケースもありますが、それは別記事で紹介します)
一言でいいますと、調湿材が温度変化に応じて水分を吸ったり吐いたりして、湿度を調整してくれるということです。
ちなみに、真冬にお風呂から出てくると、脱衣所の大きな鏡が曇りますが、5分もすると曇りがなくなってしまいます。鏡ヒーターや暖房器具はありません。セルロース断熱材の効果です。
友人にこの話をしても、なかなか信じてくれませんが、事実です。
断熱材以外の調湿材は、基本的には屋外から水分を取り入れたりしないので、部屋の湿度変化を緩やかにする効果に留まると思います。
セルロース断熱材を使用する場合は、その壁紙にビニールクロスを使用してはダメですよ!
ビニールクロスは水分を通さないので、調湿できなくなってしまいます。
ちなみに、日本で一番普及しているクロスは、ビニールクロスです。
拭けばすぐ汚れが取れる壁紙は、ビニールだからなんですよね。一長一短です。
まとめ
日射コントロールと、調湿材を利用した湿度コントロールを活用すると、驚くほど快適になります。
自然の摂理を利用するので、勝手にやってくれて、ランニングコストは「ゼロ」です。
是非とも活用しましょう!
以上、皆様の参考になれば幸いです。
それではまた!