変態キーボード Keyball39を作ってみた
キーの数が39個しかなくて、マウスも一体化された超コンパクトな変態キーボードを見つけました。
そして分離型キーボードなので、肩が開いて肩凝りしにくいという優れものです。
これは私が組み立てた完成後のキーボード写真ですが、こんな感じ。
シロガネ ラボというところで販売しています。
Shirogane Lab
そしてこの変態キーボードを世に広めたYoutube動画がこちら。
【コレは凄い…!】分離式&トラックボール搭載・究極キーボード keyball39 を使い倒す方法
こんなん目からウロコだし、買うしかないじゃないか!
と思って調べてみると、キットで売られているので、自分で組み立てないといけませぬ。
しかもキット品だけ購入しても完成しなくて、キースイッチとか、キーキャップとか自分で選んで別に買わなくてはいけないのです。そういったパーツは、自分の好みに合わせて好きに選んでねってことらしいです。うーん、マニアすぎる。
ちらっと調べてみると、種類が沢山あってよく分からない…。
そしてこのキーボード、お高いのです!
Keyball39のキット品が23800円
その他必要なものを諸々買い足していくと、最終的に5万円くらいになってしまったような気がします。もっとかな?怖くて計算していませんがw
冷静に考えて高過ぎるような気がしますが、一日中キーボードとマウスに触れて仕事していて、このキーボードに変えることで肩コリ地獄から解消されるとしたら、決して高くはないかもしれないですね。
私はプログラマーでも物書きでもなくて、PC作業のせいで肩こりが激しいわけでもないので、単純に興味から手を出してしまいました。
だって、この上なくシンプル(?)じゃないですか。これで成り立つなんて、究極と言える気がします。
これぞSimple is best! なんじゃないかと。
ということで、購入して作ってみましたのでその過程を紹介していきます。
いや苦労しました。というか、未だ苦労中です。
まずは届いた部品たちです。バラバラですw
そして部品が細かい!小さい!
これらをHPのビルドガイドを見ながらハンダ付けしながら組み立てていきます。
ハンダ付け作業、久しぶりにしますw
製作過程は、このブログで説明するよりビルドガイド見た方がよほど分かりやすいです。
このキーボード欲しいかもと思った方は、まずはビルドガイドを熟読して自分でも作れそうか確認してみて下さい。
ここではビルドガイドとなるべく被らないことを書いていきます。被る内容は重要と思って頂ければと思います。
いつものことですが、案件でも何でもないので好き勝手に書いていきます。
こちらは主に使う道具たち。
基板用のハンダと、ハンダゴテを準備します。
ハンダが得意な器用な人ならいざ知らず、基盤用のハンダゴテとハンダを準備するのとしないのでは、仕上がりに大きな違いが出てくると思います。
比較したことないけど多分。
DIYオタクの直感です。
ハンダは、精密プリント基板用と書いてあるやつを使います。
スズが60%、鉛が40%でちょっと細いタイプのハンダです。
鉛フリーは融点が高いので、素人には扱いが難しいです。
基盤に取り付けるダイオードとかLEDは、熱に弱いので素早くハンダ付けしなければいけません。なので融点の低いハンダを使うのが無難かと思います。
あとヤニ入りを選ぶといいです。
ヤニ(フラックス)は金属表面の異物とか酸化被膜を取り除く役割をしてくれます。
ヤニが入っていないと、ハンダはくっつきにくいので注意してください。
ハンダゴテの先端は鉛筆のような先の尖った細いやつと、C型と呼ばれる斜めにカットしたタイプの2種類を用意します。
こんなやつ。
基盤にハンダ付けする人は、鉛筆型より斜めにカットされたC型のほうが使用頻度高いらしいです。
さて、それでは作業開始していきます。
こちらがメイン基板2枚。左手用と右手用です。ハンダ付けするのは裏面だけなので、表には間違えないようにマスキングテープを貼っておきます。
右手用の基盤は下側に開口がありますが、ここにトラックボールが装着されます。
左手にトラックボールを付けたい人は、基盤をひっくり返して組み立てできるように、リバーシブルになっているのです。
個人的には、基盤をリバーシブルにしないで、購入するときにトラックボールを左右どちらに付けるかを選択できるようにしてほしいです。
そうしたら変な間違えも防げます!(やらかしました)
写真でハンダ付けしている部品は、ダイオードです。大きさは数mmしかありませんw
私の場合は、ピンソケット以外の平面のハンダ付けは、C型ハンダゴテではなく尖った鉛筆型のハンダゴテを使用しました。
なんとなく、こちらのほうがきれいに付けられる気がしたので。(慣れの問題?!)
平面のハンダ付けが終わったら、ハンダゴテの先端をC型に交換します。
C型のハンダゴテは、基板から飛び出たピンを横からハンダゴテを当てながら半田付けしていきます。これは楽チン!
ちなみに、上の写真はProMicroというキーボードの頭脳となるチップをハンダ付けしているところです。こちらは右手用の基板。長方形の四角枠の線上にハンダ付けするのが正しい状態なので、正しくハンダ付け出来ています。
そしてこちらは左手用基板。ハンダ付けしてあるのが、四角枠の内側の赤矢印ところでハンダ付けされています。正解は緑矢印の線上にハンダ付けしなくてはいけません。
つまりやらかしました(*´Д`)
何故間違えに気が付いたかというと、PCに接続してファームウェアを書き込もうと接続しても、左手用基板が認識できなかったから。
この基盤、ややこしいわ!
毒を吐いても何にも先に進まないので、間違えて取り付けた位置のハンダをすべて除去して、付け直す必要があります。
このピンタイプのハンダ除去がまあ難しいのです。
私の場合、ハンダ吸い取り線というのではきれいに除去できずにピン端子を外れる状態には至りませんでした。
気持ちに余裕がなくて写真を撮れていませんでしたが、悪戦苦闘すること1時間。
自分のスキルでは無理だと悟りました。
そこで専用の道具に頼ることを考えますw
そしてAmazonで30分ほど検索して見つけたのがこちらの商品。
レビューを熟読してポチりました。
ハンダ除去ポンプという商品です。
ハンダを温めて溶けたら吸い取ってしまうという素晴らしい商品でした。
なかなか大きいですね。使い方は至って簡単。素人でも簡単に扱うことが出来ました。
除去したいハンダ部分に器具を垂直に押し当て、ハンダを溶かします。
溶けたら器具のボタンを押すと、溶けたハンダがスポンとバネの力で器具の中に吸い取られるという仕組みです。
いやー、ハンダ付け位置を修正出来て良かったです。
修正出来なかったら、ゴミくずになってしうところでした(;´Д`)
ハンダ付けをしていると、少なからず上の写真のようにハンダ周りに茶色っぽい染みのようなものが付きます。
これはヤニ(フラックス)が溶けたものです。パーツクリーナーやアルコールなどで除去することが出来ますので、最後にパーツクリーナーを染み込ませた綿棒などでふき取るといいと思います。
スケルトンでエロいキーボードなので、完成後も裏返すとハンダ付けしたところが丸見えですのでw
ハンダ付けが終わりましたら、トッププレートのミシン目の部分から一部プレートを切り離します。プラモみたいですね。
トッププレートは、後述するキーキャップをはめ込むところです。
切り離したところがギザギザになっているので、やすりできれいに削ります。#120~180くらいのサンドペーパーで削るといいと思います。
その後、トッププレートの側面が薄茶色しているのでホワイトペイントなどで白く塗ります。(必須ではないですが、完成後の見栄えが良くなります)
私が購入したのはぺんてるの油性ペンですが、レビュー書いたら500円のアマギフが貰えるというカードが同封されていました。商品は154円なんですがw
なお、レビューは面倒くさいのでしておりません。
Keyballは積層のプレートで構成されたキーボードです。
プレートはスペーサーを建てることで重ねていきます。
上の写真でネジ止めしているのがスペーサーです。3種類の長さのスペーサーを使い分けますが、長さを間違えて取り付けると、付くはずのプレートが付かなくて、混乱することになります。
写真ではぼやけて写っていますが、小さい部品を分別して入れるられる容器を複数準備して組み立てるといいです。
分別していないと、必要な部品を間違えてしまったり、どこに行ったのか分からなくなってしまいます。
こちらがキースイッチをはめ込んだ状態。
キースイッチは、キーボードのボタンが押されたときだけ電気的に通電する(スイッチが入る)という構造の部品です。
このスイッチ、反力の強さとか押した時の音なんかが色んな種類がありまして、素人を非常に悩ませるわけです。
このスイッチが、いわゆるキーボードの打鍵感とかの重要な要素になるんだとか。
ブラインドタッチも怪しい私には、レベルの高い話でございます。
ちなみに私は、割とオーソドックスと思われるものをチョイスしました。
赤っぽいのが、Gateron Silent Switches
⇒適度な重さで、静音タイプのスイッチ。基盤にLEDを仕込んでいるので透明タイプです。
茶色っぽいのが、Sunset Tactile Choc Switches
⇒親指用のキーで、背が低くて押し心地が重たいタイプになっています。
記事に書くとここまで作るのに大して時間がかからないように思ってしまうかもしれないですが、おそらく延べ15時間くらいかかっています。週末のみの作業で2週間w
あとはキーキャップとトラックボール付けて完成♪と思っていたのですが、色々と課題が出てきて未だに使えていないのです。
ため息しかでませんが、一つ一つ解決していくしかないですね。
キーキャップはCherry Profile Shine-through PC Keycapsというのを買ってみました。
黒色でシックだし、文字のところが裏のLEDを発光させると光る仕様です。カッコいい!
でもKeyballとは相性が悪かったんです。
まずはこちらの写真をご覧ください。
左側が上で説明したキーキャップです。右側は後述しますが、別のキーキャップになります。
比較のために右側だけ交換しました。
左側のキーキャップの色はイメージ通りでした。アルファベットもやや控えめなサイズで好みです。
でも致命的なのは、赤丸のところに嵌めるべきキーキャップが、サイズが合わなくて嵌められませんでした。
本当は、左から「CTRL」「WIN」「ALT」のキーキャップが嵌るはずでした。
でもこの3つのキーキャップ、入っていたのは1.5倍ほど横長のものだったのです。
しょうがないから、余っていた適当なキーキャップを嵌めました。モヤモヤしますw
これだけでも不満だったのに、押し心地も微妙。というか打ちにくい。
何故だろうと思いつつも、「CTRL」「WIN」「ALT」のサイズが普通のアルファベットと同じサイズが選べるキーキャップを探して買い直しました。それが写真の右手のキーキャップとなります。
色は好みと若干異なるけど、押し心地は雲泥の差で良かったです。
何で違うのだろうと比較してみたら、主にキーキャップの角度の違いのせいでした。
こちら問題の左側のキーキャップ。
人差し指は「F」をホームポジションとします。
Fから上の段のRやTのように人差し指を移動させると、段差があって引っ掛かるんです。
これが押し心地を悪くしていて、キーが打ちにくかったんです。
比較して初めて気が付きましたw
こちらが買い直した右側のキーキャップ。(左側も後で交換しました)
人差し指は「J」をホームポジションとしますが、上の段のUやYに指を移動させるときに段差がないので、指が引っかからずにスムーズにキーが打てるんです。
配列によって、キーキャップの角度を変えてあるんですね。こんなに打ち心地に違いが出るものかと驚きました。
買い直したキーキャップは、XVX 189 XVX Profile Double Shot PBT Keycap Full Setというものです。
配列位置によってキーキャップの角度を変えているものは、XVXプロファイルと言うそうです。
知らずに買いましたが、KeyballにはXVXプロファイルが相性いいと思います。
そしてもう一つの問題がトラックボールの操作のし辛さ。
理由は二つあって、そもそもトラックボールを使ったことがなく慣れていないことと、トラックボールを操作する親指の角度がしっくりこないためです。
これはキーボードを立てることである程度解決できます。
これを分割キーボードのテンティングというらしいです。事前に予習していましたので私もやってみました。
まずはBefore Afterをどうぞ。
まずはBefore。キーボードを寝かせた状態です。
もう裏にすでにスタンドが取り付けてあるので机から少し浮いていますが、キーボードを寝かせた状態だと、トラックボールの操作がし辛そうなのがなんとなくわかると思います。
そしてこちらがAfter。
トラックボールへの親指の角度がBeforeより自然になりました。
というか、キーボードの文字入力も楽になりました。手首の角度を立てた方が楽なんです。
もっとキーボードを立てたほうが操作しやすくなるのかもしれませんが、それは追々試していきたいと思います。
余談ですが、私の手はいつも傷だらけですねw
いつも素手でDIYをしていると、こうなってしまうという悪い見本ですw
話を戻しまして、使用したスタンドはこちらになります。
分割キーボードのテンティングといったらこのマンフロットのスタンドというくらい有名です。
でもお高いので、少しでも低コストで済ませようと最初ノートPCの裏に付けるスタンドを試しました。
でもタイピングすると安定感が悪くてグラグラするんですよね。
キーボードのタイピングする位置によって、重心が変わるせいです。
このリンクのやつです。これは失敗でした。
勿体ないので、これは仕事用のPCに取り付けましたw
結局、分割キーボードを支えるスタンドは、三本脚が安定感がいいという結論に至りました。
スタンドの固定方法には悩みました。
マンフロットのスタンドを活用している先人達の多くはマグネット台座を組み合わせて使っているようですが、追加コストがかかるし、部品点数が増えてくるので、とりあえずスタンドをキーボードに直付けする方向で試してみます。
なるべくシンプルに仕上げたいと思いまして。
スタンドを色んな位置でマスキングテープを使って固定してキーボードの位置関係を試してみて、写真のようなポジションが一番しっくりしそうな感じでした。
実際にこのマウントのポジションでキーボードを置いてみるとこんな感じです。
位置が決まったら、マウントの裏に両面テープを貼り付けていきます。
滑り止めゴムの部分は、両面テープが付かないので、滑り止めゴムの周りに貼り付けることになります。
使用した両面テープはこちら。
この5㎜幅の両面テープが色んな所に使えて、超絶便利です。一家に一つストックしておくといいんじゃないかと思ったりします。
スタンドを張り付けた状態がこんな感じです。
赤丸に示す、アクリル板を固定しているネジが隠れない位置にスタンドを固定しました。
もし、分解しなくてはいけないときに、スタンドを剥がさなくてもネジが外せるようにです。
これで一応は完成です!
非常に苦労して作りましたが、達成感も感動もありません。
なぜなら、現在は使えていないからなんですねー。
キーボードにUSB-Cマグネット端子を付けて、マウントの位置決めのために抜き差しを何度が繰り返していたら、次のようなエラーが出るようになってしまい、Keyball39を認識しなくなってしまいました。
不思議なことにUSBケーブルを変えたり、入力ポートを変えたりするとたまに認識しますが、すぐに認識しなくなってしまいます。気分屋か!
たまたま認識したときに、ソフトウェアの再インストールしてみましたが、まだ問題は再発します。
自作系あるあるなトラブルですが、ちょっとイライラします(# ゚Д゚)
こうゆうのは、些細なことが問題だったりしますが、そこに気が付くまでいつも時間がかかります。
そのうち、このキーボードを使いこなせるようになって感動する日が訪れるのでしょうか…。
使いこなせるようになったら、車の運転席に設置して使ってみたいです(仕事で)
車の運転席でPCを触ることが度々あるんですが、Keyball39なら操作が楽になりそうな予感。
でもマニアック過ぎるので、真似する人は誰もいない自信がありますw
以上、今回もマニアな内容でしたが、皆様の参考になれば幸いです。
それではまた!