簡易ボール盤の改良
知る人ぞ知る、JSK-koubouの簡易磁気ボール盤を作って活用しています。
作り方は図面を購入して、youtubeを参考にしながら作りました。
これを考えたJSK-koubouさんは、すごいです!
こんなにコンパクトなのに高精度でどこでも使えるボール盤は他にないと思います。
本当に脱帽です。
で、私は購入した図面通りそのまま作るということはしませんでした。
改良が大すきな私は、自分好みにちょっとアレンジして製作しました。
こちらが2020年に作った簡易ボール盤です。
強力マグネットでガッチリ固定し、2本のガイドレールで垂直に精度よく上下出来ます。
オリジナルに対して、クイックチャックに変更し、ガイドレールにストッパーを追加しています。
あとは手で支えるためのハンドルを追加したりしています。
こちらが当時の使用する様子の動画です。
久しぶりに見ましたが、左人差し指を怪我してますねw
さて、この内容が今回紹介する改良ではありません。
もっと簡単で便利に使えるようにするための改良です。
先に、改良した簡易磁気ボール盤の使用する様子の比較動画を紹介します。
上の動画よりも使い勝手がよくなっているのが分かると思います。
本記事の目次
① 簡易ボール盤の不便なところ
② 改善アイディア
③ 実践
④ 使用感
① 簡易ボール盤の不便なところ
まず、簡易ボール盤はどこでも持ち運んで使えますが、私はワークベンチにセットして使うことを基本として考えています。
ワークベンチは下のリンクのBOSCH(ボッシュ)のものを使ってます。折りたたみ式の中では、これが一番しっかりしていました。11㎏ほどあるので重たいですがw
そして不便なところは主に次の2点です。
- 簡易ボール盤を固定するための鉄プレート付き土台をセットする必要がある
⇒面倒くさい
⇒ワークベンチの天板と段差が出来る - ストッパーをセットしないと、ドリルの刃が自重で落ちて突き刺さる。
⇒基本的にドリルから手を離すと下に落ちる。なのでストッパーを付けて落ちないようにしているが、うっかりストッパーをセットし忘れて、たまに刃が台に刺さることがある。
これはどうにかして改善したい案件です。
② 改善アイディア
- については、マグネット固定用鉄プレートをワークベンチに埋め込んでしまえば、鉄プレート付き土台が不要になると考えました。
つまり、土台をセットする手間がなくなり、ワークベンチとの段差も解消できるはずです。 - についてはドリルから手を放しても下に落ちていかなければいいわけです。
スプリングを使うのが単純かつ確実です。
スプリングは主に次の2種類に分類されます。
・引張式:縮んでるスプリングを引っ張って使う(自転車のスタンドとか)
・圧縮式:伸びているスプリングを圧縮して使う(ボールペンの中に入ってるやつとか)
ネットで調べるかぎり、電動ドリルを利用した簡易ボール盤を製作している人は、ほとんど引張式スプリングを使っているようでしたが、見た目をスッキリさせたいので圧縮式スプリングを使うことにします。
③ 実践
それでは実際に作っていきます。
簡易磁気ボール盤のベースとなるマグネットホルダー台は吸着力が約130㎏なんですが、設置するところに触れる箇所は両端の6㎜ずつしかありません。(下の写真を参照)
だったら6㎜の平行キー(6㎜角の鉄材)をワークベンチに埋め込めばいいじゃんと考えました。300㎜の長さで安く買えるし!
早速注文して、吸着力を試してみました。
写真に違和感を覚えた人はツワモノです。
このマグネットホルダーの吸着力は、約130㎏です。
そしてマグネットは「ON」となっています。
そう、僅か2本指でマグネットホルダーから平行キーを浮かした状態で写真を撮れるなんておかしいんです。
つまり、磁力が弱いんです。本来の磁力が出ていれば片手で引き剥がすのも難しいくらいの吸着力のはずです。
マグネットホルダーに接触する箇所だけ鉄材があれば十分だろうと思っていましたが、どうやら底面全面に鉄材がないと磁力が強くならないようです。磁束の流れ的に。
小難しい話になりますので結論だけ言うと、平行キーでワークベンチに簡易ボール盤をガッチリ固定する作戦は失敗したということです( ;∀;)
しょうがないので、最初に作った土台から鉄プレートを分解し、ワークベンチに埋め込むことにしました。
どうやって埋め込むかというと、トリマーで削って埋め込むのです。
まずは鉄プレートを埋め込むところに線を引き、トリマーで正確に削るためのガイドとして、適当な板材を両面テープで貼り付けます。
こうなりました。中心部にM4用の鬼目ナットを設置して、鉄プレート埋め込み加工完了です。
鉄プレートを設置した図。
どうやら削る寸法を間違えたようです( ;∀;)
みっともないので、後でちょうどいいサイズだったカマボコ板で埋めましたw
次にドリルが自重で落ちて台に突き刺さるのを防止する対策を実施します。
2本の昇降用ガイドレールの片側にスプリングを入れて完了です。
単純ですと言いたいところですが、鉄プレートを埋め込むよりも大変でした。
何が大変かと言うと、ガイドレールにジャストフィットして、程よい反発力の得られるスプリングを見つけ出すのにかなりの時間を要しました。
あんまり詳しくないので、これだ!と思うものになかなか出会えないんです。
私が購入したのは、ミスミのSWY20.5-80という品番です。
スプリングの荷重(反発力)は約11kgfです。これでドリルの刃が台に刺さることはなくなり、スプリングが硬すぎるということもなくちょうどいい感じです。
JSK-koubouの簡易磁気ボール盤を作った人は、このスプリングは超おススメですよ!
あとはストッパーと、100均(ダイソー)のマスキングテープの目盛もなかなか便利です。
ストッパーはセットカラーという品名で、これもミスミで購入しました。
SSCKM12-Bという品番です。
今回の改良ポイントは、下記3点です。
・ワークベンチへの脱着が容易なこと
・ワークベンチにセットしたときに段差がないこと
・ワークベンチの真ん中にある挟むところも活用出来ること
かなり使いやすい簡易ボール盤となりました。
皆様の参考になれば幸いです。
それではまた!