ヘルメットを付けて車を運転することへの考察
今年から15年ぶりくらいに車でサーキットを走るようになりました。
そして富士スピードウェイを走行して、ヒヤリとする出来事がありまして、DIYネタではありませんが、安全性について再考することにしました。
サーキット走行は、究極の自己責任です。何があっても相手に責任を求めることは出来ません。たとえ、死亡事故であってもです…。
サーキットで自分の身を守る代表的なアイテムは、ヘルメットとシートベルトです。
サーキット走行ではヘルメットの装着が義務付けられています。
① なぜ、ヘルメットが必要なのか?
② 本当にヘルメットが安全なのか?
➂ どんなヘルメットを装着するべきなのか?
この3点について、改めて考えてみました。
① なぜ、ヘルメットが必要なのか?
手っ取り早く、AIに聞いてみたら以下の回答でした。
クラッシュ時の保護:
サーキット走行では、一般車よりも高い速度で走行するため、事故時の衝撃が大きくなります。特に、ロールケージが装備されているとはいえ、クラッシュ時には車体が大きく変形し、ドライバーの頭部が激しく動く可能性があります。ヘルメットは、このような状況で頭部を衝撃から守る役割を果たします。
火災からの保護:
レーシングカーは、燃料漏れやオイル漏れなど、火災のリスクも伴います。四輪用ヘルメットは、火災の熱から頭部を守るための耐火性も考慮されています。
なるほど。サーキットでのヘルメットの必要性については、理解出来ました。
そのかわり、サーキットで走行する車両であることが前提となっていると感じました。
そういった車は、エアバッグもなくて、ロールゲージが付いているような車です。
サーキットのルールもそういったことが前提になって定義されていることも多いのかもしれません。
② 本当にヘルメットが安全なのか?
一般車両がクラッシュしたとき、大抵の車はエアバッグが作動します。
あれって、ヘルメット被ってても安全なんだろうか?
再びAIに聞いてみたところ、以下の回答でした。ちゃんと要約してくれるAIって便利!
車でヘルメットを着用したままエアバッグが作動すると、ヘルメットとエアバッグの衝撃で怪我をする危険性があります。エアバッグは高速で膨張するため、ヘルメットが顔や首に強く当たる可能性があります。また、ヘルメットの種類によっては、エアバッグの作動を妨げ、本来の効果を発揮できない場合もあります。
詳細:
怪我のリスク:
ヘルメットを着用していると、エアバッグの膨張時にヘルメットが顔や首に強く当たり、擦過傷、打撲、骨折などの怪我をする可能性があります。特に、フルフェイスヘルメットやジェットヘルメットなど、顔面を覆うタイプのヘルメットは危険性が高いです.
エアバッグの効果低下:
ヘルメットの種類によっては、エアバッグの膨張を妨げ、エアバッグの効果を十分に得られない場合があります。例えば、シールドがエアバッグの展開を妨げたり、ヘルメット自体がエアバッグの衝撃を吸収しきれなかったりする場合があります.
正しい着用方法:
エアバッグの作動を前提とした正しいヘルメットの着用方法はありません。ヘルメットを着用している場合は、できるだけエアバッグとの干渉を避けるために、シートベルトをしっかり着用し、できるだけ前傾姿勢にならないように注意する必要があります.
やはり、ヘルメットとエアバッグは相性が悪そうです。
可能であれば、サーキットを走行するときは、ステアリングのエアバッグは撤去するのがいいかもしれません。
私の趣味車は社外のステアリングに変えてしまっているので、図らずともエアバッグは撤去されています。
余談ですが、自分にサイズが合っていないヘルメットを着用して、エアバッグと3点式シートベルト(純正)のままサーキットを走行するって、実はヘルメットを被らずに走行するよりも、よほど危険なのではないかとも思い始めました。
➂ どんなヘルメットを装着するべきなのか?
これはですね、調べれば調べるほど奥が深いというか、適当ではいけないということが分かります。
長々と書くとA4原稿用紙10枚以上になってしまいますので、なるべく簡潔に整理したいと思います。
まず、ヘルメットを装着する目的は頭部を守ることです。これは誰しも分かると思います。
そして頭部を適切に守るためには、ヘルメットのサイズが合っていることが大前提になります。
これがまたクセモノで、試着して被りやすいと感じたものはサイズが大きい可能性があります。
ちょっとキツイかも くらいが丁度いいのです。余裕があっては衝撃吸収してくれません。
適切なサイズを見極めるためには、頭部のサイズを正確に測ることです。
ヘルメットには、頭部のサイズ表記があります。そのサイズと、自分の頭のサイズが合っていなければ、それは適切なヘルメットではない可能性があります。
とか偉そうなことを言っている私も、今所持しているヘルメットを確認してみたらサイズはM(56~57cm)でしたが、自分の頭を測ってみると54.5cmでしたw
買い直し確定です。
また、ヘルメットは2輪用と4輪用で区別されています。
4輪用は耐火性能を考慮して難燃素材になっており、視界も2輪より上下が狭くなっています。
そして、これが最も重要なのですが4輪用ヘルメットにはHANSデバイス専用のアンカークリップが付けられるものが存在します。
私は、4輪にはHANSデバイスに対応したヘルメットが必須であると思うようになりました。
HANS(Head And Neck Support)デバイスとは、モータースポーツで頭部と首を守るためのアイテムです。
HANSとは何かというのは、HANSを作っている有名ブランドのStand21のHPの図が分かり易かったので、そちらを引用して紹介します。


車が急減速をしたとき、AがHANSありでBがHANSなしの様子です。
6点式シートベルトをしているとします。
身体はシートにしっかり固定されますが、頭は固定されません。
したがって、HANSなしの場合、急激がGがかかると頸椎が伸びて損傷します。

次に、時速56km/hで衝突したときの首への負担を示した図です。
HANSなしですと首への負担は5100Nとなり、負傷閾値の4000Nを超えるとされています。
Youtubeでヘルメットした状態での衝突動画もたくさん確認しました。
結果、上の図の通りだと分かりました。
一般道で止まり際に軽くオカマを掘られ、鞭打ちでしばらく苦しんだことがありますが、あれも頸椎が急激に伸びて捻挫状態となり痛むんですよね。
ヘルメットしていなくて、ぶつかった車速も10km/hくらいで、数か月ほど痛みに悩んだので、ヘルメットを被った状態で かつそれなりのスピードで衝撃を受けたら、その比ではないと思います。
事実、公式レースではHANS装着は義務化されています。
それくらい重要な安全装置ということです。
頸椎は、損傷したら回復出来ません。障害を負うことになります。
そしてHANSデバイスもピンキリです。
カーボンで作られた軽量タイプは、20万円超えと超高いです。
こちらはプロが使用するような商品かな?

結論
サーキット走行においては、ヘルメット着用がルールです。
自分の身をしっかり守るためには、必ず自分に合ったサイズのヘルメットを装着し、ビギナーであったとしてもHANS、6点式シートベルトをセットで準備するべきと考えた方が良さそうです。
私はエキシージ用に、フルバケ、6点式ハーネス、HANS、HANS対応ヘルメットを手配中です。
モータースポーツは、入り口に立つだけでお金が掛かりますね…。
しかし、スポーツの中で最も危険を伴うのがモータースポーツだと思います。
しっかり準備しないで臨むと、後悔してもしきれないことになってしまうかもしれません。
以上、皆様の参考になれば幸いです。
それではまた!