BMW 420iのフロントブレーキパッドの脱着作業
私が長期出張中に、最初の数回ブレーキを踏んだときだけFrブレーキからキーキー音がすると嫁から相談がありました。
走行距離は8年で4万キロくらいです。
そろそろブレーキパッド交換時期なのかなと、現物確認もしないで新しいブレーキを注文しました。
注文したブレーキパッドはこちらです。
F36の420iでも、ローターサイズが何種類か存在するようで、間違えて注文するとパッドがはまりません。
こちらの商品は、車台番号をショップに連絡すると、適合を確認してくれるので間違いがないと思います。
我が家の車はローター径が312mmとのことでした。
その他、300mmと340mm、370mmが存在するようです。
さて、タイトルはブレーキパッド交換ではなく、脱着作業となっています。
そう、結果的に交換はしていないんですね。
ブレーキが最初の数回だけ鳴るのは、パッドが減っていたからではなく、別の理由があったのです。
脱着作業するということは、交換と同じ内容になりますので、ご自分で交換したい方も参考になるかと思います。
それでは作業の様子を紹介していきます。

まずはパッド摩耗センサの付いていない右側のキャリパーから作業していきます。
最初に、金属のクリップをマイナスドライバーで外します。
上の写真のようにテコの原理でグイッとやると簡単に外れますが、外れた拍子に飛んでいきますので、手で支えてあげます。

こちらの写真は、キャリパーの裏側を上から撮影したものです。
キャリパーの裏側から上下2本スライドピンを抜きますが、キャップがしてあるので、赤丸のキャップを細いマイナスドライバーなどで外します。

外すとこのようになっていて、8mmの六角レンチでスライドピンを外すことが出来ます。

スライドピンは、ステンレス製で、側面に白いものが横筋状に付着していました。
キャリパーのアルミの錆でしょうか?
掃除したら、ツルツルの綺麗な状態になりました。

スライドピンを外したら、キャリパーとパッドが外れます。
キャリパーは、ブレーキホースが繋がっているので、ブレーキホースにテンションがかからないように、S字フックでサススプリングに引っ掛けておきます。

ブレーキパッドの残量は、内側が10.5mm、外側が10.0mmと、全然減っていませんでした。
何でキーキー鳴るのか謎です。
嫁曰く、両側から音が聞こえるとのことでした。

USパッドなので、NAO(ノンアスベストオーガニック)材の低ダストタイプのパッドが付いていました。
EUパッドはLS(ロースチール)材なので、ダスト量は多いです。
効きはいいんですけど、街乗りではブレーキが効きすぎる傾向で、カックンブレーキになりやすいと思います。

念のため、鳴き対策で角を少しだけ削っておきます。

右が削る前で、左が削った後です。
でも鳴きの根本原因はこれじゃないような気がします。

再びパッドを装着する前に、ピストンを強力クイッククランプで少し戻しておきます。
隙間が多い方がパッドを入れやすいですので。

パッドの裏には、鳴き止めにパッド用グリスを塗っておきます。
このパッドグリスは、モリブデンなどの固着防止剤が入っており、耐熱温度は1000度ですので、性能は十分です。

外側のパッドには、このようにキャリパーと当たるところに塗ります。厚く塗る必要はありません。これはちょっと塗り過ぎですw

内側はキャリパーのピストンがパッドに当たるので、ピストン側に塗っておきました。
あとは元通り組み立てて完成です。
次に左側を同様に作業していきます。

左側には、ブレーキ摩耗センサが付いているので、クランプを外しておきます。

右側同様、パッドを外してみると、内側と外側でパッド摩耗量に明らかに差があります。
内側が11mm、外側が7mm程度でした。
むむむ…

外側のパッドの裏面をパーツクリーナーで掃除してみると、キャリパーと強く当たってえぐれているところがあります。
外側のパッドだけ摩耗が早い症状が出るときは、スライドピンが固着している場合がほとんどです。
ブレーキがかかった後に戻りが悪くて、ブレーキが引きずった状態になってしまいます。
それでブレーキが冷えているときだけ、キーキー音がしていたと思われます。

外したスライドピンを観察してみると、右側のキャリパーとそんなに変わらないように見えますが、1本傷っぽいのが目立ちますね。
掃除したら、きれいに取れたので、やはりキャリパーのアルミの錆でしょうか。
これが原因で固着していたのかもしれません。

対策として、モリコートというネジ用モリブデンの固着防止スプレーを塗布しておきます。このスプレーは、粘度はなくてサラサラです。
パッドグリスでもいいと思いますが、何となくこちらを使用してみました。
左側もパッドの角を少し面取りして、パッドの裏にグリスを塗った後に組付けて完成です。
キャリパーピストンを戻した後は、ブレーキペダルがスカッと奥まで抜けますので、発信前に数回ブレーキを踏んでおきます。
結果、ブレーキの鳴きは収まり、全く音はしなくなりました。
多少燃費も良くなることでしょう。
購入したブレーキパッドの出番は、何年後なのだろうw
以上、皆様の参考になれば幸いです。
それではまた!
