モニタヘッドホンMDR-7506の改造
自宅のデスクトップパソコンを使う時は、Shokzの骨伝導イヤホンを使っています。
耳を塞がないので、外部の音も普通に聞こえるし、Youtubeや音楽なども楽しめて自分しか聞こえないので、深夜でも家族に気を遣わず、とても重宝しています。
でも、たまには良い音で聞きたいなとずっと思っていました。
そんな訳で、モニタヘッドホンの世界的名機と言われているSONYのMDR-7506を買ってみました。通称青帯と呼ばれている30年以上前からある超ロングセラーヘッドホンです。
そんなヘッドホンが未だにモニタヘッドホンのグローバルスタンダードとして君臨し続けていることに驚きを感じます。
モニタヘッドホンとしては、国内では通称赤帯と呼ばれているMDR-CD900STのほうが有名ですが、MDR-7506のほうが若干リスニングヘッドホン寄りらしいです。
プロが使用するヘッドホンとしては安い気がしますが、機能は超シンプルです。
ワイヤレスでもなければ、ノイキャンもありません。折り畳みは出来ます。
さて、届いたヘッドホンをPCの3.5mmのヘッドホンジャックに刺して聞いてみました。
Shokzの骨伝導イヤホンでは聞こえない音も拾ってくれます。
例えば、ピアノの鍵盤がフェルトを叩くコトッて音とか。
そして、低音は歯切れが良くて、とても質のいい音です。
でもバイオリンの高音なんかは、きつくてやや聴きづらい感じです。
これはエージングをすれば印象が変わるかもしれませんが。
総じて、良い音で超コスパが良いヘッドホンだと思います。
ただ、どうしても気に入らないことが2点ありました。
一つ目は、長いコイルケーブルが重くて煩わしい。
ケーブルは左側に付いていますが、伸びると3.5mにもなります。
私の使い方では、そんなに長いケーブル要らないかな。
ケーブルの重さは83g。重いっす(*´Д`)
二つ目は、すぐ蒸れること。
密閉型で、ドライバーユニットと耳の位置が非常に近いので、イヤーパッとの中の空間がとても狭く、蒸れやすいんです。
そして、イヤーパットの表皮は薄いビニールで質感は正直良くないです。
この2点を改善すべく、ヘッドホンを改造することにしました。
購入して2日目だったんですけどね(;’∀’)
このヘッドホンの良いところは、基本業務用なので、パーツが豊富で改造や修理が容易なことです。DIYオタクにはもってこいのヘッドホンですw
何をするかというと、リケーブルです。
ヘッドホンにイヤホンジャックを付けて、好みのケーブルに付け替え出来るようにしちゃいます。
あとは、イヤーパッドの交換です。
こちらがヘッドホンを改造するためのパーツたちです。
左から、
3.5mm 4極ジャック
イヤホンジャックは3極で十分なんですが、マイク入力も出来る4極ジャックを選びました。もちろん、3極接続にも対応できます。
マイクは付いていないけど、今度バランスド接続を試してみたかったんです。
3.5mm オーディオケーブル 4極
こちらも4極ケーブルを選びました。
ヘッドホンアンプを購入したら(するかどうか分かりませんが)アンプに繋ぐ端子を4.4㎜のバランスド端子に改造しちゃいます。
Amazonの評価が高かったので買ってみました。
なんだか高級感があって、蒸れにくそうです。イヤーパットがひんやりしているのかなと思いましたが、全然そんなことはなかったです。
その他にも加工のために工具を少し購入しましたので、改造費は約5500円です。
それでは加工の様子を紹介していきます。
まずは左側のイヤーパットを外します。
そうするとネジが4本見えるようになるので、外します。
外すと、中はこのようになっています。
銀色の丸いパーツがドライバーユニットです。ここに線がハンダで繋がっています。
どの線がどの信号か調べて印を付けました。
L-とR-の信号は繋がっていますので、イヤホンケーブルの線は3本になっています。
つまり、R+、L+、RL- の3本ということです。
どこに何を繋げるか把握したら、ハンダを当てて線を取り除きます。
そして、4極化させるので、赤丸でしますブリッジをカッターで削り取ってR-とL-を独立させます。
ここはちゃんとテスターでお互いが絶縁されていることを確認しましょう。
ついでに、線が交差しないようにR-とL-を入れ替えました。
こちらが外したヘッドホンケーブルです。使用時間2時間なのでほぼ新品ですw
次に、イヤホンジャック端子にヘッドホンケーブルを差し込み、どのピンがどこに繋がるかテスター確認して、印を付けておきます。
イヤホンジャックのネジがM7×0.75なので、ヘッドホンケーブルが通っていた穴にタップを立てるために6.2mmのドリルで拡大します。
M7のネジを立てるための下穴径です。
元々は確か5mmくらいの穴径だったと思います。
穴を6.2mmに拡大するとこんな感じです。
M7×0.75のタップでネジを立てます。
どうしてM7なんでしょうね。3極ジャックはM6なんだから、4極ジャックもM6のネジにしておいてくれればいいのに。
M7×0.75なんてタップは、ここでしか使い道がないですよ、私は。
なので、今回の加工のためだけにタップを買いました。
M7なんて需要もないので、タップも割高です。
タップを立てた後にちゃんと入るか確認したところです。
隙間ギリギリですが、入りました。
表から見るとこんな感じです。
自然でいいのではないでしょうか。出っ張り具合もピッタリです。
シンデレラフィットというやつですねw
次に、ハンダで線を繋いでいきます。
2芯のシールドケーブルの中身だけ取り出しました。ツイストケーブルになっていたので、そのままツイストのまま組んでいきます。
この状態で、左右から音が出ることを確認したら、ハウジングの蓋をします。
組み戻すときに、イヤーパットを左だけ変えて左右の比較をしてみました。
大きさも質感も違いますね。
厚みが全然違うのが分かるでしょうか。これが音に大きな影響を与えることとなります。
そして、ケーブルが脱着式になったのでとてもスッキリしました。
こちらはイヤーパットを並べて比較したところです。
左が純正です。
交換したSOULWITのイヤーパットは、肌に触れる部分がストッキングのような素材なので、汗をかいても張り付くような不快感はありません。
こちらがリケーブルして、イヤーパットを交換した後のヘッドホンです。
ケーブルも軽くなって、スッキリしました。
さて、肝心の音ですが変化がありました。
低音は少し豊かになったんですが、中音は少し引っ込んだ印象です。
試しにイヤーパットを純正に戻したら、音も元の音に戻りました。
つまり、リケーブルで音は殆ど変化せず、イヤーパットを変えると明らかに音が変化したということです。
交換したイヤーパットで、5mmほど耳に押し付けるようにすると、純正と同じような音になります。
つまり、耳とドライバーユニットの距離が少し変わるだけで音の聞こえ方が異なってくるということでした。繊細なんですねー。
ちなみに、純正イヤーパットの音の方がバランスが良くて好みです。
でも、交換したイヤーパットは蒸れにくく、かつ疲れにくいので、交換して良かったと思っています。
気が向いたら、他のイヤーパットも試してみることにします。
以上、皆様の参考になれば幸いです。
それではまた!