エキシージのスピーカー交換
エキシージは走ることにひたすら特化した車でして、それ以外のことは シンプルでチープでもあります。
その最たるものの一つは、オーディオです。
まあ エンジン回転が2000回転を超えてくると、音楽を聴いていても エキゾーストノートにかき消されていくわけですので、音質に拘ってもあまり意味はないんですけどね。
私の丸目インプレッサも相当音質改善には力を入れまして、信号待ちしているときなんかは、良い音に感動するわけですが、走り出すとスピーカーから聞こえる良い音も、マフラーの重低音にかき消されてしまうわけです。
そう、マフラーの音量の大きい車に、スピーカーの音質に拘ってもコスパが悪いのは身に染みて分かっているのです。
それでもエキシージのスピーカーから聞こえる、ボワンボワンした、こもった音にどうにも耐えられずに、手を出してしまいましたw
購入したのは、10㎝コアキシャルタイプでは定評のあるスピーカーです。
それでは、ここから非常に苦労した スピーカー交換作業を紹介していきます。

まず最初に、スピーカーネットを千枚通しなどをネットに引っ掛けて外します。
このスピーカーネットは、スピーカーネットのフチにゴムが付いており、それが溝にハマっているだけの単純な構造です。
ところが、長時間炎天下にさらされた履歴のある車は、高温でゴムが溝に固着してしまい、なかなか取れません。
私の車も、おそらくそうだったのでしょう。
左のスピーカーのネットは10分ほど格闘して 何とか取れたのですが、右のネットは超頑固で相当苦労しました。

ネットに紐を通し、潤滑スプレーを噴きまくってから紐を引張っても取れず。

筋膜リリースガン(マッサージ器)で振動を与えながら引張っても全くネットが動く気配なし。

ヒートガンで温めてから紐を引張っても全くネットが取れる気配なし。
ここまでで、2週間が経過しておりますw
このネットを外した下に、スピーカーを固定しているネジが隠れているので、ネットを外さないとスピーカー交換は始まりません。

実際の写真は撮り忘れましたが、結局 上の写真の赤線の位置に約4mm厚の板を置いて、千枚通しでテコの原理で持ち上げることでネットを取ることが出来ました。

ネットが取れたら、頭の低いラチェットドライバーでネジを外します。

さて、スピーカーを固定しているネジが外れるとネットがはまる枠が取れます。
上の写真の枠はネットを外すのに苦労した右側です。潤滑剤でギトギトです。
溝の中に、硬化したゴムが接着剤で貼り付けられたかのように固着していました。
もしかしたら、本当に接着剤で固定していたのかもしれません。
この枠、歪んでいるんですよ。
歪んでいると、ネットを嵌めてもどこかが浮いてしまいます。
ネットの浮きを抑えるために、接着剤で固定していたのかもしれません。

カッターとマイクロペンチとマイナスドライバーを駆使して、固着していたゴムを撤去した後の残骸です。枠とゴムの質が悪いからこうなるのです。
ロータスクオリティーというやつなのでしょうかw
さて、スピーカーの固定ネジ4本を外したら、スピーカーが取れるはずなんですが、スピーカーも固着していて外れませんw

エアコン吹き出し口の下にあるカバーを外し、手を突っ込んでスピーカーを下からグリグリ押すことで何とかスピーカーを取り出すことが出来ました。
この中に手を入れると、バリなどで手を切ります。
手袋などをすることをおススメします。私は素手で手を突っ込んでしまいました(゚∀゚)
どうなったかは、想像にお任せしますw
次に、取り外したスピーカーと、購入したスピーカーの比較をしてみます。

購入したスピーカーは、右の純正と比較してみると、作りがしっかりしていて重みがあります。
ネットも一回り大きく、網目も荒くて盛り上がっています。
外周を少し削らないと、エキシージにはネットが嵌りませんw
ネットだけは純正の方が好みなので、純正を使うことにします。

スピーカーを横から比較すると、純正より高さが20mmほど高くなっています。
マグネットも大きいですね。

スピーカーのネジ固定部を比較してみると、純正は1mm厚の鉄板ですが、Focalは厚みのあるリブ付きの樹脂となっています。
こいつがクセモノで、純正のスピーカーの枠を被せようとするとリブが邪魔して浮いてしまいます。
こいつのせいで、純正のネットが使えません。

悩んだ結果、ネジ固定部を45°ずらして枠にはめ込むことにしました。
Focalのスピーカはネジ固定せず、カバーだけネジ固定してスピーカを押し付けて動かないようにする作戦です。
これまでの説明では、実際に作業した人でなければ分かりにくいと思います。
スピーカー取付け時に、また詳細を説明します。

しかし、Focalのスピーカーのネジ固定部のリブが干渉して、うまくはまりません。

そこで、リブを約1mmだけ削り落とすことにしました。

1mm程度であれば、よく切れるカッターなどで簡単に削り落とすことが出来ます。

これでピッタリはまるようになりました。

純正の枠が無事はまるようになったので、表にひっくり返して確認してみると、矢印のところに隙間が出来てしまっていることに気が付きました。

枠の裏に厚み1mmのEVAテープを貼って隙間を埋めました。
音が出る大事な部分です。隙間は無いほうがいいでしょう。

取り付ける前に、スピーカーと枠を瞬間接着剤でくっつけて圧着します。

ネジ固定部とスピーカーの取付け部の段差をなくすために、ワッシャーを重ねて段差をなくします。ワッシャーも瞬間接着剤で固定しています。
剥がしたいときは、コツンと衝撃を与えれば剥がれます。多分。
スピーカーの枠を車本体にネジ止めするのは、上の写真のワッシャーが付いている部分の4カ所になります。

こんな感じで、しっかりくっついてくれてます。
ワッシャーがないと、スピーカー枠が歪んでしまうんですね。
もうすでに、炎天下の熱影響で歪んでいますけどもw
今回の小細工で、枠の歪が小さくなるといいなーと淡い期待を抱いています。

スピーカーの下には、吸音シートを敷きます。
ちょっと贅沢して、制振もしてくれる高価なやつを選びました。
エキシージはマフラーの音量が大きい車です。それに負けないようにスピーカーの音量を上げたときに、制振をしてくれると少しは音が締まるかなと思いまして。
ちなみに、重さは2枚で約400gです。
エキシージは重量バランスがRrに偏っているので、Fr側は多少重くなってもいいかなと思っています。
でもシートよりも後ろは 絶対に重くしたくありません。
車検証入れを トランクに積むことも嫌です。

この吸音シート、カットせずにそのまま敷くことができました。
が、狭いのでなかなか苦労します。

せっかくなので、オーディオデッキに繋ぐケーブルを新設しました。
純正のケーブルはちょっと細くて心もとないです。
このケーブルはリビング用に作ったスピーカーケーブルの端材です。
我が家には、色んな端材が沢山残っておりましてw

スピーカーの配線の色は、グレーが右、白が左で、黒いラインが入っているほうがマイナスです。
疑り深い私は、テスターで導通確認をしましたw
ちなみに、アクセサリー電源は黄色で、メイン電源は赤色の線のはずなんですが、色が逆になっておりました。
ロータスは、たまにトラップがあるので要注意です。

スピーカーネットのフチのゴムはボロボロになっていたので、代わりにEVAのスポンジを貼りました。耐候性もある素材なので、多分大丈夫でしょう。

このスポンジは、滑り止めや隙間を埋めるのに、何かと重宝するので、持っていると とても便利です。

スピーカーの枠は、安っぽい感じがするのと、ネットを無理に外した時に擦れたような小傷が多数ついてしまったので、樹脂用スプレーで塗装しました。
ちょっとザラついた質感が出るように塗装しましたが、なかなかいい感じの仕上がりになりました。
これですべての加工が終わりましたので、車に組付けていきます。

スピーカーケーブルを繋いで、音がちゃんと出ることを確認してから組付けに入りますが、音が出たときは安堵のため息がでました。
3週間にわたる長い戦いに、ようやく終わりが見えたのです。
スピーカを交換するだけで、まさかこんなに苦労するとは夢にも思いませんでした。
あとは逆の手順で組んでいくだけですので、組付けの詳細は省きます。

純正のスピーカーの枠とネットを使用しているので、見た目はほとんど変わりません。
よく見ると、塗装した枠の質感だけ良くなっていますが、誰も気が付きませんw

スピーカー真ん中の純正より出っ張っているツーイーターも、ネットに干渉することはなく、きれいに収まっています。
そして、ネットの目が細かいので、どんなスピーカーが付いているのか、覗き込んでも全く分かりません。
スピーカーは、目立たなくていいと思っているので、これでいいのです。
そして肝心の音ですが、40点が60点になった感じでしょうか。
どうにも耐えられない というほどではなくなりました。
デッキも変えたら65~70点くらいにはなるかもしれません。

今はこのデッキが気になっています。
値段の割に評価が高く、Bluetooth接続も出来るし、Alexaも搭載しているので楽しそうです。
以上、エリーゼ、エキシージに乗っている皆様の参考になれば幸いです。
それではまた!