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フルバケ用シートクーラーの製作 その②

haru

その①の続きです。
その①では、ホースの取り回しと配線処理を紹介しました。

その②ではシートクーラー本体の製作を紹介していきます。

本記事の目次
① シートクーラーの形状検討
② インナーメッシュの工夫
➂ 風の送り込み方と追加の加工
④ 装着した様子
⑤ 使用感

① シートクーラーの形状検討

私が購入した、フルバケにも対応した既製品のシートクーラーは、このようなものでした。

写真左側が純正シートに設置した既製品のシートクーラーです。
固定方法は、肩ベルトの穴に紐を通して吊るします。
それだけで、意外にもズレないんです。

自作するシートクーラーは、ボタンホックで固定することを考えていました。
なぜなら、左側のフルバケの肩ベルトの左右の穴の距離が、紐で吊るすには近すぎるのです。

ならば、いっそのこと肩ベルトを通す穴のプラフレームに挟み込んでしまうことにしました。
写真右側は、ニトリの半透明の滑り止めシートで型取りしているところです。

半透明のシートは型取りにとても便利です。丈夫ですし、シワにもなりにくいですし。
水性マジックで線を書くことも出来ます。

滑り止めシートはエンボス加工してあるので、左右の位置関係をエンボスで把握しますw
歪んでいないかとか、ポッチの数を数えたりして左右対称か確認するわけですw

そんなこんなで、シートクーラーの形状が決まり、型取りも出来ました。
基本的には、ツートンのフルバケの明るいグレーの部分がぴったり隠れる形のシートクーラーにします。

 

型取り出来たら、パンチングのグレー色の表生地と黒色の裏生地に線を書いていきます。線を書くのは生地の裏面です。

おおよそ、型からプラス1cm外側をカットします。
生地の厚みは1mm弱でしょうか。
生地の裁縫は嫁様にお願いしましたが、ミシンがパワー不足で苦労したようです。

 

このサイズで生地を購入すると数千円ですが、フルバケを布からスエードに変更するとオプション料金は約5.6万円でした。

質感が違うのかといえば、比較した限り差は分からず。スエードは標準の布より生地が伸びなくて立体的な裁縫が難しいということかもしれません。

 

② インナーメッシュの工夫

まず、座面のプラメッシュは既製品のシートクーラーから部品取りしました。
プラメッシュが二重に入っていたんですよね。分厚過ぎです。

 

プラメッシュを横から見ると、このようになっています。
一番外側は空気が流れなくてもいいので、モコモコしないように半分の高さにニッパーでカットしていきます。

そして、股ベルトのところに穴を開けておきます。

背中の部分は、ダブルラッセルの通気性の良い厚いメッシュ生地を使用しました。

でも柔らかくて、ちょっと押すとすぐに潰れてしまうので背中部分はあまり空気は出てこないと思います。
とても悩みましたが、フルバケのフィット感を損なわないことを重視しました。
蒸れない程度に通気してくれればいいなと思います。

背中のメッシュは、スエードと一緒に縫い込んでしまいます。

 

➂ 風の送り込み方と追加の加工

さて、ここからはフィッティングも含めて検討していくことになります。

上の写真は、シートを車に仮置きしてホースとシートクーラーの取り回しを考えているところです。

このホースをシートクーラーの中に入れてエアコンの冷風を送り込みます。

 

どうやってホースを生地の中に繋ぐかというと、差し込むパイプがあればいいわけです。

そこで登場、掃除機の隙間ノズルですwww

写真で見て分かるように、Φ7の穴を13個開けました。
ホースの内径はΦ25です。Φ7の穴を13個開ければ断面積は大体同じくらいになるので、空気抵抗はそんなに増えないはずです。

何を気にしたのかと言いますと、騒音です。
そもそも、モーターが強力で騒音も大きいので、足元からさらに騒音が出ないようにしたかったのです。 

 

隙間ノズルの先端は、テープで塞ぎました。
横から入ってきた風は、矢印の向きに吹き出します。

 

隙間ノズルは。上の写真の赤四角のところに固定します。
ホースは、矢印の向きに差し込みます。
また、青枠で囲った部分は、パンチング穴から風が出てこないように裏に布を貼り付けてあります。
ここで風が出ちゃうと、奥まで冷風が行き渡らない可能性があるかなと思いまして。
一番風が出て欲しいところは、座面の一番奥です。

 

余談ですが、股ベルトのところは穴を開けてあります。

 

プラメッシュを生地の中に入れて、穴にはめる黒い樹脂製のグロメットを装着すればきれいに仕上がります。
ちょっとシワが寄りますけどねw

 

ここで一つ閃きました。
どうせならシートヒーターも付けてやろうと。
USBで暖まるヒーターパットを、腰の部分に内蔵することにしました。

迷彩柄は、黒スプレーで塗装してから内蔵しました。
パンチングの穴から、微妙に迷彩柄が見えちゃうんですよ。

そんなこんなで、無事シートヒーターも内蔵して、パイプも固定しました。
パイプは、中で回転しないように側面にΦ1の小さな穴をあけ、赤丸の箇所に糸を通して固定してあります。

これでシートクーラー本体は完成です。

 

既製品のシートクーラーと比較すると、だいぶスッキリしたかなと思います。
既製品のUSB電源は、ファンの電源ですが、自作したUSB電源はシートヒーターの電源です。

 

④ 装着した様子

ここまで出来たら、車にシートを載せてホースとのフィッティングを実施していきます。

 

ホースは、シートレールレバーにバイク用金具を付けて固定しました。

上のパーツがホース側を固定するステーです。
バイクは持っていませんが、このステーを購入するのは3回目ですw

 

シートレールレバーの直径は10mmですので、こちらのパイプクランプを使用しました。樹脂なので、力が掛かると変形してしまって、固定力が弱いのがやや難点ですね。

 

これらの二つのステーを組み合わせて使用します。

この角度で固定したいので、ホース側のステーの側面にゴムを両面テープで貼り付けました。

 

実際にセットすると、このようになります。
これでホースに力が掛かっても、斜めの角度が維持できるようになります。

 

そして、ホースは思いのほか硬くて、真直ぐに戻ろうとする力が強いので、ヒートガンで暖めて曲がった状態でクセを付けておきます。
なかなか手のかかる子でしたwww

 

ホースをシートクーラーに差し込んだら完成です。
6点式ハーネスも取り付けてみましたが、特に問題なく使用できます。

助手席の純正シートと色は合わせられませんでしたが、多少マシになったかなという感じです。

製作にかかった期間は約1ヶ月。
半分は、製作途中でぶち当った難題を、どう対処するか悩む時間でした。

 

⑤ 使用感

座面からちゃんと冷風が出ます!
外気温36℃でも、シートクーラーのファン風量は弱で十分でした。
ファン風量弱ですと、ファンの音もあまり気になりません。

ファン風量を強にすると、ヒュイーンと爆音がしますw
サーキットを走るときは風量を強にする気がします。

背中部分は、残念ながらというかやっぱりというか、冷風はほとんど感じません。
ただ、背中に汗をかかなくなったので良しとします。

真夏の炎天下でもエアコン風量は1でも平気になりました。

そして肝心の座り心地もほとんどスポイルされておりません。
エスケレートのフルバケがMサイズで、ちょっとキツイなと思っていたくらいなので、シートクーラーを設置して、座面が約1cm高くなってちょうどいいフィット感になりました。
狙い通りです(え?)


クソ暑い中、熱中症になりかけながら作業していて、私は一体何をしているんだろうと我に返るときもありましたが、ちょっと報われた気分です(・∀・)

以上、皆様の参考になれば幸いです。

それではまた!

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DIYオタク
身の回りの何かを常にアップデートしていないとソワソワしちゃう変態なオッサンです。 家とか車とか自転車とか畑とか…。 ネタは尽きないので、時間があるときに更新していきます。
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